目次
はじめに
「そんなに古くないし、雨漏りなんて我が家には関係ないでしょ」。
そう思っている方も多いかもしれませんが、実は雨漏りは多くの住宅で発生し得るトラブルの一つなのです。
雨漏りと聞いて誰もが思い浮かべる『天井から水が滴り落ちる』という症状はもちろんのこと、以下のような症状が見られる場合も雨漏りの可能性があります。

このような症状が見られたら雨漏りかも…?
- 天井や壁にシミができている
- 畳や床が湿っている
- 壁紙や天井のクロスが膨れている・剥がれてきている
- 窓枠やサッシ周辺に水滴が付いている
- 室内の湿度が異常に高くなる
- 水回りでもないのにカビ臭がする

これらの症状がある場合、雨漏りが進行している可能性があるので早急な対応が必要です。
兆候を見逃さずに早めに専門業者に相談することで、被害を最小限に抑えることができるでしょう。
逆に雨漏りを放置しておくと、建物の損傷や住んでいる人の健康被害につながる可能性があります。
本記事では雨漏りの主な原因と放置することで発生するリスク、そして適切な対策について解説します。

雨漏りの主な原因
雨漏りが発生する原因はさまざま。
中でも特に多いのは以下のようなケースです。
屋根の劣化や破損
屋根材は長年の風雨や紫外線によって劣化し、ひび割れやずれが発生することがあります。
特に瓦やスレート屋根では、固定が弱くなると隙間から雨水が浸入しやすくなります。
一般的にスレート屋根の寿命は20~30年、ガルバリウム鋼板なら30~50年、日本瓦の屋根であれば50~100年が寿命と言われています。
「だったらうちはまだまだ大丈夫」と思われる方も多いかもしれませんが、メンテナンスを怠るともっと早く不具合が発生することも少なくありません。
寿命と言われる年数のおよそ半分を過ぎたらメンテナンスが必要になると考えていいでしょう。
また海が近い地域では潮風や強い日差しによって屋根材の劣化が早く進行する場合もあります。
定期的に点検・メンテナンスすることを心がけておきましょう。

屋根の防水シートの損傷
外から見えている屋根だけで雨水を防いでいるわけではありません。
実は屋根材の下にはルーフィングという防水シートが設置されており、これによって建物内に雨水が侵入するのを防いでいます。
このルーフィング経年劣化などで破損すると、屋根材の隙間から入り込んだ雨水が直接建物内部に侵入してくることになります。
ルーフィングにはさまざまな材質のものがあり、高品質なものであればその耐用年数は50年とも言われますがその分コストも高くなるため、一般的に使用されているものは10~30年程度が寿命となります。
外観からは見えない部分ですが、築年数の古い住宅では防水シートの経年劣化が原因となって雨漏りすることも多いのです。
外壁のひび割れ
雨漏りといえば屋根、というイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、建物の外壁にできたひび割れから雨水が浸入する雨漏りもあるのです。
特にモルタルやコンクリートの外壁は、温度変化による膨張・収縮でひびが入りやすく、そこから雨水が建物に侵入して雨漏りの原因になることも少なくありません。
屋根からの雨漏りであれば水滴が落ちてきたり天井にシミができたりするので比較的発見しやすいのですが、壁からの雨漏りの場合はこのような症状が出ないケースが多くあります。
気付いたときには建物に大きなダメージが、なんていうこともありますので、外壁の劣化にも注意を払っておきましょう。
窓枠やサッシの隙間
外壁と同じように、あまり知られていない雨漏りの発生源として窓やサッシのシーリング(コーキング)が挙げられます。
ポリウレタンやシリコンなどが原料となっていますが、雨風にさらされ、紫外線を浴び続けることで劣化し、7~10年程度で寿命になると言われています。
大量の水が入ってくるような箇所ではないので気づきにくいですが、風が強い日や大雨の足には隙間から雨水が入り込んでくることがあります。
結露と間違えられがちですが、室内と外気の温度差がないのに窓周辺が湿っている場合にはコーキングからの雨漏りを疑った方が良いかもしれません。

ベランダやバルコニーの排水不良、雨樋の詰まりや破損
ベランダやバルコニーの排水口や雨樋が落ち葉やゴミで詰まると、雨水が正常に排水できずに雨漏りの原因となることがあります。
ベランダ・バルコニーの床面のひび割れや屋根、外壁に雨水があふれ、建物内部へ浸入することで雨漏りの原因となります。
一度溜まってしまうと掃除するのも手間がかかりますし、なによりも不衛生ですのでこまめに掃除することを心がけましょう。
天候や災害による突発的な破損
台風や豪雨・大雪、強風などの天候が屋根・外壁にダメージを与え、雨漏りの原因となることもあります。
大雨・大雪で過度な重量がかかったり、強風によって飛ばされたものが家屋に当たって破損するケースが報告されています。
このような経年劣化によらない、天候が原因の雨漏りの場合には火災保険で修理ができる場合があります。
加入している保険会社、あるいは雨漏り修理業者に相談してみると良いでしょう。


雨漏りを放置するとどうなる?
「天井にシミができるくらいならいいか」「水がしたたり落ちてくるわけじゃないし」と、雨漏りを軽く考えてはいませんか?
雨漏りを放置していると、建物の構造や居住環境にさまざまな悪影響を及ぼします。
ここでは代表的な被害をご紹介しましょう。
構造の劣化やシロアリ発生の原因に
雨漏りを放置しておくことによって水が木材に浸透すると、柱や梁が腐食し建物の強度が低下してしまいます。
耐震性が損なわれれば地震などの際に倒壊のリスクが高まることになりますので、早めに対処しておくべきと言えるでしょう。
また、湿気の多い環境はシロアリが住み着く要因ともなります。
実はシロアリ被害の約80%は雨漏りが原因となっていると言われています。
シロアリは家の木材を食害し、進行すると建物の柱や土台が空洞化してしまうこともあります。
ここまで進行すると、シロアリ駆除だけでなく大規模な改修工事が必要となってしまうため、原因となる雨漏りに対して早めに対策するのが良いでしょう。

内装の損傷・電気系統のトラブル
雨漏りが進行すると天井や壁紙にシミができたり、クロスが剥がれたりすることもあります。
屋根や外壁の雨漏り発生箇所に加えて内装まで修繕しなければならない事態になれば、その分修繕にかかる費用も高額になってしまいます。
また、意図せず建物内部に雨水が侵入するということは電気系統のトラブルを引き起こす可能性もあります。
雨水が電気設備や配線に触れればショートや漏電の危険性があります。
停電が発生すれば不便な生活を強いられますし、最悪の場合は火災につながるリスクもあり非常に危険です。
カビ・ダニの発生と健康被害
雨漏りによって建物の内部に湿気の多い環境になると、カビが発生しやすくなります。
気温25度、湿度75%の環境では成長速度が早まると言われており、雨漏りによって湿度の高まった室内は絶好の繁殖環境となってしまいます。
さらに、このカビをエサとしてダニが繁殖することも少なくありません。
「ダニに刺されてかゆい!」という被害はもちろんですが、そのフンや死骸も健康被害の原因となります。
カビ・ダニがアレルギーや呼吸器系の疾患を引き起こす前にしっかり雨漏りに対処しましょう。

雨漏りを防ぐための対策
雨漏りの被害を防ぐためには、日頃の点検や適切なメンテナンスが欠かせません。
定期的な屋根・外壁の点検とこまめな清掃
屋根や外壁が劣化していないか、破損個所はないかを定期的に点検することが大切です。
ひび割れや劣化が見られた場合は早めに補修することが重要です。
同様に窓枠やサッシ周辺のシーリング材もチェックしましょう。
雨風や紫外線にさらされることで劣化し、ひび割れて隙間ができます。
早期であればホームセンターなどでコーキング材を購入して自分で補修することもできるので、こまめに点検しておくと良いでしょう。
また、雨樋やベランダの排水口にゴミが詰まらないよう、定期的に掃除することも大切。
特に落ち葉の多い季節や台風・豪雨の前後は要注意です。
普段から破損や劣化、汚れなどに気を配っておくことが、雨漏りを未然に防ぐことにつながります。

早めに専門業者へ相談しましょう
こまめにチェックといっても、専門的な知識がなければ判断がつきませんし、そもそも屋根の上や外から見て分からない箇所はチェックのしようもありません。
雨漏りの不安があるときは早めに専門業者に相談するのも一手です。
雨漏り修理の専門業者であれば屋根に上って目視での調査や、赤外線カメラ・ドローンを使用する調査、散水調査など、素人にはできない方法で雨漏り調査をしてくれます。
また、築10年以上の住宅では防水シートの劣化が進んでいる可能性があるため、張り替えについて相談してみるのも良いでしょう。

まとめ
雨漏りは建物の劣化や健康被害を引き起こす可能性がある深刻な問題です。
屋根や外壁、窓枠・サッシ周り、雨樋などの排水設備を定期的に点検・清掃することで雨漏りを未然に防ぐ、あるいは早期発見することができます。
もし雨漏りの兆候を見つけた場合には、早急に専門業者へ相談して状態に合わせた処置を提案してもらいましょう。
「まだ大丈夫かな」と放置すれば放置するほど、後々の修理費用が高額になってしまいますので、早めの対応がコストを抑えるポイントです。
『雨漏り修理ナビ』は全国の雨漏りのご相談にお応えしています。
「もしかして雨漏りかも…?」と思うような症状があったときは、お気軽にお問い合わせください。